沼田香輝さん(移住)
「イイよ、沼田君のつくったギョウザ僕に出しなよ」って常連さんが言ってくださるんです。
沼田香輝さん/食の伝承をテーマに地域おこし協力隊員として餃子・タンメン「一番」で修行中:神奈川県出身
数ある地域おこし協力隊募集の中から下仁田を選んだのは?
食の伝承がテーマであったことが入口でしたので、正直下仁田以外の地域おこし協力隊のことは調べなかったんです。
東京・池袋のギョウザスタジアムでお店を任されており、そこで商品開発なども手掛けていたものですから、どうしても食に関わることでないと、という思いが強くありました。
不安だったことをお聞かせください。
面接の日、待ち合わせ時刻よりも早めに来て、街中をうろうろしてたんです。
僕がス ーツを着ていたせいか、「誰かなぁ?」的な空気を感じたんですね。なじんでしまえば、みんな「おぉ、元気ぃ?」みたいな感じで、会う人みんな挨拶してくれるんですが、来る前は受け入れていただけるか不安でした。
でも、本当に役場の方にも親切に温かくしていただいて、「何かあったら言ってよ」って、そんな中で移住への不安も少なくなっていって…
実は最後のひと押しをしてくれたのは同棲中だった彼女なんです。「やりたいと思うならやる方がいい。期間満了の3年後、その時はその時でしっかり考えればいい。私も少し遅れるけど一緒にいくから」と言ってくれたのが決定的でした。
4月からここで一緒に住みます。



3年後は正直、はっきりイメージできていないんです、それでもチャレンジしてほしいと言っていただけて勇気が出ました。

実際住んでみてどのようなことを感じられていますか?
本当にみんな温かく接していただいて、一番のおじさんおばさんも「この子はいいこだからよろしくね!」ってお客さまにも紹介いただいて、町中から親切にしていただいてありがたく思っています。
出前に行ってもちょっとお茶飲んでいきなよなんて…
常連のお客さまからも旅行のお土産をもらったり、人との関わりの幸せを思いっきり感じています。あと提供いただいている住まいが6LDKの一戸建てですからね、東京都で住んでた部屋とは比べ物にならないほどの空間で、ちょっと寂しい…
でも布団を干せるっていう自然な幸せを味わってます。



休日はどのように過ごされていますか?
自転車を役場の方から頂いたんです。それで神津牧場までいったりとか。実はお客さまで富岡の警察署に勤められている方がいて、自転車で行ってお邪魔したら、「おお、来たか!」ってお茶をだしてくれたりして、こういうのはやっぱり嬉しいですね。プランターもあるし、今後は少し野菜でもつくれればと思ったりしています。
移住を考えている人にアドバイスするとすれば?
都会から来るということで、「自分はこれをやってやろう」という思いが強すぎて空回りすることがあるような気がします。町はみんなが親族、同意を得ずに進めるとうまくいかないこともあるということをしっかり意識したほうが良い。それは、協力隊の方とお会いした時も話題に上がりました。
最後に、下仁田はこうなれば良くなるといった意見を聞かせてください
都会から見ると「田舎」とひとくくりにされているように思います。単純に「知らない」。
それぞれのまちの特徴・空気、僕自身の実感でいえば四季を感じること。そのまちそのまちの四季を感じる心のゆとりのある方に、町の可能性を拓いてほしいですね。

