○下仁田町認知症初期集中支援推進事業実施要綱

平成28年9月28日

告示第124号

(趣旨)

第1条 この告示は、介護保険法(平成9年法律第123号)第115条の45第2項第6号の規定に基づき、認知症になっても本人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域のよい環境で暮らし続けられるために、認知症の者及びその家族に早期に関わる認知症初期集中支援チーム(以下「支援チーム」という。)を配置し、早期診断及び早期対応に向けた支援体制を構築することを目的とする認知症初期集中支援推進事業(以下「支援事業」という。)を実施することに関し、必要な事項を定めるものとする。

(実施主体)

第2条 支援事業の実施主体は、下仁田町とする。ただし、介護保険法施行規則(平成11年厚生省令第36号)第140条の67の規定に基づき、事業の運営の全部又は一部を適切に行うことができると認める法人その他の団体に委託することができる。

(実施体制)

第3条 支援チームは、地域包括支援センター又は群馬県知事から認知症疾患医療センターの指定を受けた医療機関に設置するものとする。

2 支援チームは、福祉課、保健課の職員、地域包括支援センターの職員、かかりつけ医、かかりつけ歯科医、認知症サポート医、認知症に係る専門的な知識及び技能を有する医師、認知症疾患医療センターの職員並びに介護事業者との連携を常に意識し、情報が共有できる仕組みを確保するものとする。

(支援対象者)

第4条 支援事業の支援対象者は、町内に在住する40歳以上のうち、在宅で生活しており、かつ、認知症が疑われる者又は認知症の者(以下「訪問支援対象者」という。)で、次の各号のいずれかに該当するものとする。

(1) 医療サービス又は介護サービスを受けていない者又は中断している者で、以下のいずれかに該当するもの

 認知症疾患の臨床診断を受けていないこと。

 継続的な医療サービスを受けていないこと。

 適切な介護サービスに結び付いていないこと。

 診断されたが介護サービスが中断していること。

(2) 医療サービス又は介護サービスを受けているが、認知症の行動又は心理症状が顕著なため、対応に苦慮している者

(支援チームの構成)

第5条 支援チームの構成員(以下「チーム員」という。)は、次に掲げる専門職2人以上及び専門医1人以上とする。

(1) 専門職は、次のいずれかに該当する者とする。

 保健師、看護師、作業療法士、歯科衛生士、精神保健福祉士、社会福祉士、介護福祉士等の医療保健福祉に関する国家資格を有する者

 認知症ケア又は在宅ケアの実務経験3年以上を有する者

(2) 専門医は、次のいずれかに該当する者とする。

 日本老年精神医学会若しくは日本認知症学会の定める専門医又は認知症疾患の鑑別診断等の専門医療を主たる業務とした5年以上の臨床経験を有する医師であって、かつ、認知症サポート医養成研修を修了したものとする。

 日本老年精神医学会若しくは日本認知症学会の定める専門医又は認知症疾患の鑑別診断等の専門医療を主たる業務とした5年以上の臨床経験を有する医師であって、今後5年間で認知症サポート医養成研修を受講する意思のあるもの

 認知症サポート医養成研修を修了した医師であって、認知症疾患の診断及び治療に5年以上従事した経験を有するもの(認知症疾患医療センター等の専門医と連携を図っている場合に限る。)

(チーム員の役割)

第6条 チーム員は、次に掲げるとおり家族の訴え等により訪問支援対象者及びその家族を訪問し、観察及び評価し、並びに家族支援等の初期の支援(以下この条において「訪問活動等」という。)を包括的かつ集中的に行い、自立生活の支援を行うものとする。

(1) 専門職は、目的を果たすために訪問支援対象者の認知症の包括的観察及び評価に基づく初期集中支援を行うために訪問活動等を行うものとする。

(2) 専門医は、チーム員を支援し、認知症に関して専門的見識から助言等を行い、及び必要に応じてチーム員と共に訪問活動等を行うものとする。

(事業内容)

第7条 実施主体は、第1号から第3号に定める事項について、いずれも実施するものとする。ただし、実施主体が第2条ただし書の規定により、委託された団体である場合にあっては、第1項及び第3項に定める事項については、町が自ら実施するものとする。

(1) 支援チームに関する普及啓発に関する事項 地域住民、関係機関、関係団体等に対し、支援チームの役割及び機能について広報活動を行うなど、各地域の実情に応じた取り組みを行うものとする。

(2) 認知症初期集中支援の実施に関する事項

 訪問支援対象者の把握 町は、訪問支援対象者を把握したときは、支援チームに情報提供を行うものとする。支援チームが直接訪問支援対象者に関する情報を知り得た場合においては、町と当該情報を共有するものとする。

 情報収集、観察及び評価 訪問時に十分な情報を得るために、家族等のあらかじめ協力の得られる人が同席できるよう調整を行い、本人の現病歴、既往歴、生活情報等に加え家族の状況等を情報収集するとともに、信頼性及び妥当性の検証がされたアセスメントシートを用いて、認知症の包括的観察及び評価を行うものとする。この場合において、アセスメントシートの記入は、原則として、チーム員である保健師又は看護師が行うものとする。

 初回訪問の実施 初回訪問は、おおむね2時間以内とし、同訪問時に認知症の包括的観察及び評価を行うとともに、必要に応じて基本的な認知症に関する正しい情報の提供、専門的医療機関への受診及び介護保険サービスの利用の効果に関する説明並びに訪問支援対象者及びその家族の心理的サポート、助言等を行うものとする。

 チーム員会議の開催 初回訪問後、訪問支援対象者ごとに、観察及び評価内容を総合的に確認し、支援方針、支援内容及び支援頻度等の検討を行うため、チーム員会議を行うものとする。この場合において、必要に応じて、訪問支援対象者のかかりつけ医、介護支援専門員、地域包括支援センターの職員、福祉課、保健課の職員等の参加を依頼するものとする。

 初期集中支援の実施 初期集中支援の内容は、次のとおりとし、支援期間は、訪問支援対象者が医療サービス又は介護サービスによる安定的な支援に移行するまでの間の最長でおおむね6箇月とする。

(ア) 医療機関への受診や検査が必要な場合は、訪問支援対象者に適切な医療機関の専門受診に向けた動機付けを行い、継続的な医療支援に至るまで支援を行うこと。

(イ) 訪問支援対象者の状態に合わせた適切な介護サービスの利用が可能となるように、必要に応じて介護サービスの利用の勧奨及び誘導を行うこと。

(ウ) 認知症の重症度に応じた助言を行うこと。

(エ) 身体を整えるケアを行うこと。

(オ) 生活環境の改善等に関する支援及び相談を行うこと。

 初期集中支援の終了及びその後の経過観察 認知症初期集中支援の終了をチーム 員会議で判断した場合は、地域包括支援センター又は担当介護支援専門員等と同行訪問を行う等の方法で、円滑に引継ぎを行うものとする。この場合において、チーム員会議において、引継ぎの2箇月後にサービス利用状況などを評価し、必要性を判断の上、随時経過観察を行うものとする。

 初期集中支援に関する記録 訪問支援対象者に関する情報、包括的観察及び評価の結果、初期集中支援の内容等を記録した書類は、支援が終了した日の属する年度から起算して5年間保管するものとする。

(3) 認知症初期集中支援チーム検討委員会(以下この号において「検討委員会」という。)の設置等 町は、実施主体であるか否かに関わらず、次に掲げる措置を講ずるものとする。

 医療、保健及び福祉に携わる関係者等から構成される検討委員会を設置し、関係機関及び団体と一体的に支援事業を推進していくための検討を行う場を設けること。

 検討委員会は、支援チームの活動状況及び関係機関の協力体制等について検討するものとする。

(事業実施状況報告)

第8条 実施団体は、別に定める様式により、毎月10日までに町長に対し事業実施状況の報告を行わなければならない。

(個人情報の保護)

第9条 チーム員は、職務上知り得た個人情報について、漏らしてはならない。その職を退いた後も同様とする。

(その他)

第10条 この告示に定めるもののほか必要な事項は、町長が別に定める。

この告示は、平成28年10月1日から施行する。

(平成29年4月1日告示第48号)

(施行期日)

1 この告示は、平成29年4月1日から施行する。

(平成31年3月7日告示第22号)

この告示は、平成31年4月1日から施行する。

下仁田町認知症初期集中支援推進事業実施要綱

平成28年9月28日 告示第124号

(平成31年4月1日施行)