○文書の左横書き実施要領
昭和36年1月10日
総発第3号
第1 目的
公文書改善の一つとして文書の左横書きを実施し、事務能率の増進と経費の節減を図ることを目的とする。
第2 実施の範囲
左横書きを実施する文書の範囲は、次に掲げるものを除くすべての文書とする。
1 法令により特に様式を縦書きと定められたもの
2 他の官公庁で特に様式を縦書きと定めたもの
3 その他特に総務課長が縦書きを必要と認めたもの
第3 文書の書き方
別紙「左横書き文書の書き方」による。
第4 文書のとじ方
1 左横書き文書は、原則として左とじとする。
2 左横書き文書と左に余白がある1枚の縦書き文書をとじる場合は、そのまま縦書き文書の左とじとする。
3 左横書き文書と左に余白がない縦書き文書又は2枚以上の縦書き文書をとじる場合は、縦書き文書を裏とじ(背中あわせ)とする。
附則
この要領は、平成19年4月1日から施行する。
附則(平成24年3月30日)
この要領は、平成24年4月1日から施行する。
別紙
左横書き文書の書き方
第1 一般的な心得
縦書きと横書きとは、縦と横の相違で本質的には変わりはないが、数字や符号の用い方に多少の相違がある。
1 本文は、1字あけて書き出し、本文の中で行を改めたときは、1字あけて書き出す。
2 ただし書及び「この場合」「そのものが」などで始まるものは行を改めない。
3 なお書・おって書は、行を改める。
4 なお書・おって書の両方を使う場合は、なお書きを先にする。
5 「下記のとおり」「次の理由により」などの下に書く「記」「理由」などは、中央に書く。
6 漢字にふりがなをつけるときは、その文字の上に書く。
第2 用字について
1 漢字・かな文字の用い方は、当用漢字表・当用漢字字体表・当用漢字音訓表・現代かなづかい及びおくりがなのつけ方による。漢字・かな文字の書き方については、縦書きの場合と変わりがない。当用漢字表・当用漢字音訓表にない漢字を用いたことばは、次の基準によって書きかえ又はいいかえる。
(1) 発音が同じで意味が似ている他の漢字に書きかえる。
(2) 意味が似ている他のことばにいいかえる。
(3) 適当ないいかえのことばや書きかえの漢字がないときは、全体をかな書きにする。
(4) 全体をかな書きにすると分からなくなることばや誤解されるおそれのあることばは、表にない文字だけをかな書にするか又は漢字をそのまま書いてふりがなをつける。
2 数字
(1) アラビヤ数字
数字は、(2)に掲げる場合を除いてアラビヤ数字を用い、その書き方は、次のようにする。
ア 数字の区切り方
数字のけたの区切り方は、3位区切りとし、区切りには「,」を用いる。ただし、年号・文書番号など特別のものは、区切りをつけない。
イ 小数・分数及び帯分数の書き方は、次の例による。
| よい | わるい | |
小数 | 0.831 |
| 0,831 |
分数 | 2分の1 | ||
帯分数 |
|
ウ 日時・時刻及び時間の書き方は、次の例による。
| 日付 | 時刻 | 時間 |
普通の場合 | 昭和36年1月1日 | 10時25分 | 9時間25分 |
省略する場合 | 昭和36.1.1 |
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時刻は24時間制を用いるが、午前、午後を使用してもさしつかえない。 |
(2) 漢数字
漢数字は、次のような場合に用いる。
ア 固有名詞
(例) 四国 九州 二重橋
イ 概数を示す語
(例) 二、三日 四、五人 数十日
ウ 数量的な感じのうすい語
漢数字を含めて熟語をなしていることばであって、その漢数字が一定の量を表す意味に使われていないもの
(例) 一般 一部分 一層 四分五裂
エ 慣用的な語
「ひとつ」「ふたつ」「みっつ」などと読む場合
(例) 一休み 二間続き 五日め
オ 単位として用いる語
万以上の数を単位とし最後に用いる場合
(例) 100万 1,000億
第3 符号
符号は、次のように用いる。
(1) くぎり符号
ア 「。」(まる)
文章の完結のしるしとして一つの文を完全にいい切ったところに必ず用いる。( )の中でも文のいい切りには必ず用いる。また「○○○○すること。」「○○○○するとき。」を列記するときは「。」を用い、名詞又は名詞句を列記するときは用いない。ただし、あとにただし書が続く場合には用いる。
(例) 「○○○の証明書。ただし、○○○○」
イ 「、」(てん)
文章の中で語句の切れ目に用いる。主語に続く「て」「に」「を」「は」「が」「も」のあとには、さしつかえない限り「、」を用いる。「ただし」「また」「なお」その他文書のはじめに置く接続詞のあとには、さしつかえない限り「、」を用いる。
ウ 「・」(なかてん)
事物の名称を列挙するとき、又は外来語の区切りに用いる。
(例) 条例・規則・告示 トーマス・エジソン アプレ・ゲール
エ 「.」(ピリオド)
単位を示す場合、省略符号とする場合などに用いる。また、アルファベットによる省略又はローマ字による略語に用いる。ただし、誤解を生ずるおそれがないときは、この限りでない。
(例) 0.05 昭34.10.1 N.H.K.
オ 「,」(こんま)
数字の区切りに用いる。
カ 「~」(なみがた)
「○○から○○まで」などを示す場合に用いる。
(例) 前橋~東京 第1号~10号
キ 「―」(ダッシュ)
語句の説明やいいかえなどに用い、丁目番地を省略して書く場合にも用いる。
(例) 信号灯 赤―止れ
青―進め
霞ケ関 1―1
ク 「「 」」(かぎ)
ことばを定義する場合その他の用語又は文章を引用する場合などにその部分を明示するときに用いる。
ケ 「( )」(かっこ)
用語又は文章のあとに注意をつける場合、見出しの上下をかこむ場合などに用いる。
コ 「………」(点線)
語句の代用などに用いる。
(例) ……から……まで
サ 「:」(コロン)
次に続く説明文又はその他の語句があることを示す場合などに用いる。
(例) 注:…… 電話:76―1,450
シ 「→」(矢じるし)
左のものが右のように変わることを示す場合などに用いる。
(例) 車輛→車両
ス 「〃」(のの字かぎ)
表などで同一であることを表す。
セ 「『 』」(ふたえかぎ)
「〔 〕」(中かっこ)
「」(大かっこ)
などは縦書きの場合と同様である。
(2) くりかえし符号
ア 「々」
同じ漢字が続くとき用いる。ただし、「民主主義」「事務所所在地」など、続く漢字が異った意味であるときは用いない。
イ 「ゝ」「」
同じ漢字が続くときに用いる符号であるが用いない。
(3) 見出し符号
ア 項目を細別するときに、次のような順序で用いる。
イ 見出符号には「、」を打たず、1字分あけて次の字を書き出す。
(4) その他
傍点及び傍線を用いる場合は、傍点は「かん詰」のように、傍線は「能率的」のように書く。
第4 書式について
文書の書式については、次のように取り扱うこととする。
1 令達文書
この書式は、達・指令(許可・認可・承認)などの命令を発する文書に用いられ、一般文書とは異なっている。
(1) 達(指令)番号は、1字目から書き出す。
(2) あて名は、達(指令)番号の下に1行おいて終わりを1字分あけるように、住所を記入するときは、法人名又は氏名の上に終わりを2字分あけるように書く。
(3) 年月日は、本文の下に用紙の左に2字分あけて書き出す。
(4) 令達者の職氏名は、年月日の下に一行おいて書く。
(5) 書式例は、別紙のとおりとする(書式1~8)。
2 一般文書
照会・回答・通知・報告・進達・副申・申請・願・届などほとんどの文書に用いられる。
(1) 文書番号と日付は、終わりを1字分あけるように書く。
(2) あて名は、日付の下に1行おいて左から1字分あけて書き出す。
(3) 発信者名はあて名の字の下に1行おいて用紙の中央やや左から書き出し、公印は末尾の字にかけて押し、押したあと1字分あける。
(4) 標題は、発信者名の下に2行おいて左から3字分あけて書き出し、終わりは2字分あける。2行にまたがるときは、2行目の書き出しは1行目にそろえる。
(5) 「記」を書く場合は、中央に書く。