更新日:2020年12月24日
19.初鳥屋の八十八箇所霊場(昭和54年6月29日指定)
西牧初鳥屋に三尸塔、庚申塔群中央部にお堂があり、その中に弘法大師の座像が安置されている。この付近は弘法様の峰と呼ばれ、弘法大師にちなんだ四国の八十八箇所霊場を模し、巡礼祈願に代参所として八十八箇所の石仏群が設置されている。この石仏群の安置は、文政7年(1824)甲申4月吉日とある。
石仏は、舟形光背に各尊像が浮き彫りされ、地蔵尊、馬頭尊、千手観音、勢至菩薩など種類も多く偉観である。また、今なお昔ながらの信仰を続けている地域の人々も多数見けられる。
20.永寿寺の芭蕉句碑(昭和59年9月11日指定)
小坂大平の永寿時本堂裏の丘に建つ芭蕉句碑は、元禄15年(1702)10月12日に妙高山人によって謹建されたものである。芭蕉翁詠 涅槃曾 皺手合する 数珠の音
これは全国1500基前後、県内200基ある芭蕉句碑の中で最も古いものに属する。
21.高橋道斎譔并(せんへい)書による長清道士之碑(昭和63年3月22日指定)
長清道士は相州の人で後北条に仕えていた。道士の父が賊に殺されたので、道士は上毛金洞山(中之岳)に入り、山中にて剣の道に励み、仇を討つことができた。しかし道士は剣を捨て再び金洞山に隠れ入り仏道を修行し、村人からは神のごとく尊敬されていた。
晩年には人間界を離れ、山中において穀食を避けて不老不死の法、いわゆる長生の術を修め、延宝元年葵丑(1673)長寿を以って金洞山に没した。
高橋道斎は道士の死から100年後の安永年中(1772)、中之岳厳高寺の慈海和尚と親交があったことから、このことを世に伝えるよう依頼され、この墓の側に石碑を建てた。この碑には「安永戊戌夏、上毛高克明譔并(せんへい)書」とある。安永7年(1778)に建てられたもので、町内における高橋道斎の建立した唯一の石碑である。
22.伏見山十一面観音(昭和54年6月29日指定)
富岡市永心寺で発見された「上野巡礼縁木」によると、上野三十四番礼所の巡礼の始まりは、長和3年(1014)とあり、その中の九番札所に伏見山聖観音がある。
十一面観音は、初め、下仁田町大字本宿の長楽寺に安置されていたが、寛延4年辛未(1752)10月18日に、上小坂伏見山の断崖下にある伏見山第九番札所聖観音へ奉納された。
しかし、この九番札所にはお堂がないために、上小坂字八重窪の福泉寺(天台宗、現在は廃寺)へ預けられた。
その後、明治元年、神仏分離令が出されると観音像の破壊が心配されたため、再び、現在の伏見山に移された。現在のお堂は平成14年に地域の人々により再建された。
丈は143センチ、幅34センチ、金箔塗り(昭和30年に塗りかえ)、玉眼入り、寄木造り、十一面を有する観音である。江戸時代元禄年間以前の特徴を良好に伝えていることから、昭和54年に町の重要文化財に指定された。
この尊像の本来の念願は、衆生の煩悩をたちきり、修行によって仏の心境を得ることができるとされている。
伏見山九番礼所聖観音をよみ込んだ、次のような御詠歌がある。
苔むしろしきてもとまれ ふしみ山 玉のうてなも朽ち果つる身を
23.荒船風穴蚕種貯蔵所跡(平成18年11月29日指定)
江戸時代まで蚕の飼育は気候に合わせた年1回(春蚕中心)しかできなかったが、年間を通して涼しく、温度変化の少ない山間の風穴を利用することにより、人口的に蚕種を保存する技術が進み、明治半ば以降には年内2蚕、年内3蚕と効率的な運営が可能となった。
また、夏秋蚕は農家にとって農閑期にあたり、飼育に都合がよく急速に普及することとなった。明治期後半の蚕の増産は、風穴の利用によってもたらされたものと言っても過言ではなく、また、この天然の冷蔵庫で冬(寒さ)を経験させることにより孵化の時期が不揃いであったものが一斉に孵化することとなり、作業効率が著しく向上したことも風穴の効用であり、日本の近代化を進めた養蚕業を根底から支えた施設であった。
・平成22年(2010)2月22日 「荒船・東谷風穴蚕種貯蔵所跡」として国指定史跡となる。
・平成23年(2011)7月14日 「ぐんま絹遺産」に登録される。
・平成26年(2014)6月25日 「富岡製糸場と絹産業遺産群」の構成資産の1つとして世界文化遺産に登録される。
関連ページ
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